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<マンション傾斜>担当者「記録取り忘れ」を隠蔽か 検査では発見は困難、データ精査するのも上司1人「精査するのは無理」「性善説に頼らざるおえない」 [ニュース]







横浜市都筑区の大型マンションが施工不良で傾いている問題で、基礎のくい打ち工事で偽装データを使った旭化成建材の現場担当者が社内調査に「工事データを記録する機械のスイッチを入れ忘れ、データを取り忘れた」と話していることが、同社への取材でわかった。
その一方で偽装理由については「覚えていない」と説明するなど、話に不自然な点が多く、旭化成建材は第三者を交えて詳しい調査を始める。










不自然な説明
傾いたマンションを支えるくいのうち、6本は強固な地盤(支持層)に達せず、2本も支持層に十分差し込まれていなかった。
旭化成建材は、くいが支持層に達していないことを現場担当者が知りながら、それを隠蔽(いんぺい)するためデータを偽装した可能性もあるとの見方を強めている。

マンションは4棟あり、西棟が約2センチ傾いている。
施工会社は三井住友建設で、旭化成建材が2次下請けとして2005年12月〜06年2月に基礎工事を実施した。
2チーム(各3人)がそれぞれ掘削機を使って4棟のくい計473本を打った。

しかし、くいが支持層に届いたか確認するデータに他のデータが転用されたり、加筆されていたりしたのが中央棟で18本、南、西両棟で各10本あった。
くいを補強するためのセメント量のデータが偽装されていたのは中央棟で36本▽南棟で5本▽西棟で4本−−だった。
13本は二つの不正が重複しており、データが偽装されていたくいは計70本になる。

旭化成建材は社内調査を踏まえ、データ偽装をしていたのは1チームで、その現場担当者が主に偽装したとの見方を強めている。
不十分だった西棟のくい8本について、現場担当者は「くいは支持層まで達していた」と話す一方、偽装の理由を尋ねても「覚えていない」などと不自然な説明をしているという。
こうした点について、同社は「説明がつかない。意図的な、何らかの操作があったのではないか」とみている。

一方、現場担当者が工期の間に2日間、インフルエンザで休み、この間データを取得していなかった。
旭化成建材は「(現場担当者は)最初は整理できていたが、工期終盤に整理がずさんになった可能性がある」と説明。
データの管理とチェック体制に不備がなければ今回の問題を防げた可能性が高く、同社は「チェックや管理のあり方に不備があった」と組織上の問題も認めた。

現場担当者は職場経験が15年程度のベテランという。
旭化成建材は今後、過去にくい打ちを担当した全国の約3000棟に不正がなかったか調べる方針で、この現場担当者が携わった物件についても詳しく調査する。

検査では発見は困難
建築基準法施行令は、マンションなどの建築物について、構造上安全なものとするよう定めている。
違反の場合、設計者や施工者に対する罰則規定もある。

問題のマンションは横浜市が2005年11月、着工を認める建築確認済証を交付し、くいを打ち込む工事は翌12月から06年2月にかけて実施された。
直後の06年3〜4月、東京都内の民間検査機関が建築基準法に基づく中間検査をしている。

中間検査は、建築確認の申請通りに施工され、安全に基礎が作られたかを、現地で書類や図面を見ながら調べる。
しかし、くい打ちなど地中の工事は終わっており、業者の施工結果報告書の記載内容を信じるしかないのが実情だ。問題のマンションはこの報告書の記載内容の一部が虚偽だった。

横浜市の担当者は「不正を見つけ出す検査ではなく、性善説で運用している制度だ。
くいの深さをわざわざ抜き打ちしてまで確認しない」と話す。
「市内では1年間に約1万5000件の建築確認が申請されており、今回のような不正を見抜くことは不可能に近い」と苦渋の表情を浮かべる。

目を通す上司は1人
「くい打ち施工のデータをすべて精査するのは無理。正直言って、仕事が回らなくなる」。
全国でマンション建設を手がけるゼネコンの男性社員は、施工主の本音を打ち明ける。

問題のマンションでは、約3カ月間の工期で4棟に計473本のくいが打ち込まれた。
施工主の三井住友建設の関係者は「多数のデータの中に“偽物”を紛れ込ませて提出されれば見破るのは難しく、性善説に頼るしかない」とこぼす。

今回のケースでは、現場でデータを確認して保管する責任者が改竄を行ったとみられるだけに、事態は深刻だ。旭化成建材によると、男性管理者はデータをまとめて施工主の三井住友建設に提出するのが仕事だったが、社内では目を通す立場の上司は1人だけだったという。



業者に提出義務なし
一般的に、施工主は物件の耐震強度などが建築基準法をクリアしているかどうかの確認検査を受ける必要があるが、多くは民間の指定確認検査機関に持ち込まれる。
横浜市によると、着工後に行ったくい打ち施工のデータの提出を業者に求めるかどうかは、検査機関が判断するという。

三井住友建設は問題のマンションについて検査機関に確認を申請。
改竄されたデータを提出したかどうかについては「確認中」としている。
いずれにしろ、くいは地中に埋まっており、データの「原本」が偽装されている以上、膨大な資料の中から改竄を発見するのは困難だったとみられる。

業者には自治体へのデータ提出の法的義務もなく、データの判断は「検査機関にお願いするしかない」(横浜市)のが現状だ。

現場監理が置き去り
平成17年に発覚した耐震強度偽装事件を受け、建築基準法が18年に改正された。
構造計算の二重チェックである「適合性判定」の義務付けや罰則強化により、住まいの安心は担保されたはずだった。

「改正で設計審査は厳しくなったが、現場監理が置き去りにされている」(建設業関係者)と指摘する声もある。
現場重視の対策を提唱する1級建築士でNPO法人「建築Gメンの会」副理事長、田岡照良さんは「建築基準法では、建築士の工事監理者を置くことを義務付けているが、現場にほとんど来ない場合もある。
構造など専門的な範疇(はんちゅう)では、専門の建築士を監理補助者として配置するよう法律で義務化すべきだ」と主張する。

一方、あくまでもデータのチェックを厳しくする方向性も残されている。
国土交通省幹部は「今回の問題を受けて『性善説はやめよう』という世論が高まれば、データ原本の提出義務付けなどを検討しなければならない」と話している。

全4棟建て替えに言及に「方針提示が唐突で極端」の声も
事業主の三井不動産レジデンシャルは初めての住民説明会を開いた9日、是正工事で対応する意向を強くにじませていたが、6日後の15日には大きく方針転換し、全4棟の建て替えに言及した。
急展開する対応に、困惑の度を深める住民もいる。

マンションには幼児サロンやゴルフ同好会があり、夏祭りをするなど住民同士の交流が盛ん。
ショッピングモールに隣接する利便性もある。
建て替えには3年半ほどかかる見通しが示されており、環境は激変する。
特に不正なくい打ちがなかった棟の住民には戸惑う声が多い。
43歳の主婦は「一緒くたの建て替えで、突然問題に巻き込まれた感じがする」と明かす。

当初自分の棟には影響はないと考えていた。
全棟建て替えを念頭にした三井側の説明は衝撃だった。
長男は4歳で、3年後には小学校入学を迎える。
「建て替え後に戻ることになれば、転校させることになるかもしれない。三井側はそうした現実的な負担を分かっているのか」といぶかる。

ただ、4棟の中で1棟だけ古いまま残ることには抵抗も感じる。
仮に将来売却することになれば資産価値への影響も不安だ。「この棟には問題ないだけに、複雑で割り切れない」

主婦は三井側の説明に問題があると感じている。
「方針提示が唐突で極端。企業の危機管理として急ぐ事情は分かるが、もう少し話のもっていき方があったのではないか」

この問題が報道された14日以降、三井側の説明や対応が変わったとみている住民もいる。
報道以前の説明会では「検討する」などのあいまいな説明が多く、「(くいの)是正工事をすれば賠償の対象にはならない」とも言っていたという。ところが報道後、建て替え▽工事、精神的負担への補償▽仮住まいの費用負担−−などが「基本方針」として打ち出された。

32歳の主婦は、三井側の提案を評価する一方で「賠償や補償の基準や目安も示されず、対応も個別と言われた。引っ越しになるとこまごました経費がたくさんかかってくるが、『これは該当しない』などと拒まれてしまうのではないか」と不安をぬぐえない。

この主婦は10日の説明会から出席したが、担当者の説明はのらりくらりといった調子だったとの印象をもっている。それが報道直後に一変した。
「何にせよ負担は必ず強いられる。誠心誠意対応すると言っているが、本当にその通りにやってもらわないと困る」と提案を信じ切れない様子だった。


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<記事>
<マンション傾斜>担当者「記録取り忘れ」 知りつつ隠蔽か
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