So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

家族に恵まれ続けず、振り回され続けた「歌謡曲の女王」ー「美空ひばり 最後の真実」 [読んだ漫画/本/雑誌の感想]








今年は美空ひばりが亡くなって30年になります。
晩年は「川の流れのように」が有名ですが他にも「悲しき口笛」、「リンゴ追分」など戦後のヒット作にも恵まれた歌手です。

その年に合わせて「美空ひばり 最後の真実 」を読みました。


著者の西川幸昭さんは1964年に公開された「新蛇姫様 お島千太郎」の宣伝で出会います。

その後2000年から13年間、フィルムコンサートを企画実施し全国を回った人物です。

本の内容も様々な著書や関係者の話を交え、神格視されてしまいがちな美空ひばりの裏の顔も書かれています。
生まれた年に亡くなったので「歌謡曲の女王」としての特集番組しか見たことがない私には新鮮でした。

■家族運に弱い美空ひばり



美空ひばり(本名 加藤和枝)は魚屋の長女として生まれます。

彼女の才能にいち早く気づいた母の喜美枝によって幼少の頃から慰問や映画館など舞台に立ち歌い始めます。

父・増吉は当初、学校にも行かせられないほどひばりを歌わせる喜美枝に苦言を呈します。
でも喜美枝は突っぱねます。

元々、喜美枝は別に好きな人がいたこともあり夫に思い入れがなかったのか、強硬だったようです。
好きな人と結婚できなかった分を埋めていくように一生を通じて、娘に肩入れするステージママになります。

増吉のほうにも好きな人がいたことで喜美枝に思い入れがなかったかのような生活をします。
結婚前から好いている人が離婚すると自身は結婚しているにも関わらず通いつめ、私生児が生まれます。
また、他にも愛人を作り呆れさせてしまうほど家庭を顧みなくなります。
おそらく、家庭内に居場所がなかったのでしょう。

弟2人は「美空ひばり」という存在のプレッシャーに負けどんどん裏の道へ。

かとう哲也は、興行をする上で目をかけてもらわざるおえなかった山口組の若頭に上り詰めます。
それも本書によると金をばらまいた上でのもろい立場だったようです。

母娘は更生させようと映画出演させ、舞台にも同行させ「作曲者」としての道も用意します。
が、銃刀法違反や賭場関連の容疑で7度の逮捕。

その角でひばり邸で賭場を開いていたことが暴かれ、これがひばりの評判をさらに落とし不遇な時代突入させてしまいます。

そして2人は40代で死去。





母・喜美枝はひばりが大人になっても、誰に対しても高圧的に口をはさみ続け評判が非常に悪かったようです。
一流の作詞家、作曲家がひばりに合わせて作った歌でも「お嬢に歌わせられない」と一蹴することもあったようです。

「娘のためなら」という度胸と行動力はあったようで、著者はその点は称賛しています。で

すが、ひばりの一般常識を育てるチャンスだった学校には通わせず。
ひばり自身に考えさせずにヘリコプターペアレントのように先回りしてなんでもやってしまうことを非難しています。

私自身も喜美枝はひばりの相棒でありながら壁であり続けたと思います。

「美空ひばり」はもはや喜美枝のもので、ひばり自身が考えて作ったものではなかったように感じます。
だから喜美枝のお葬式で「私は母なしでどうやっていったらいいのでしょうか」と言い、試行錯誤し続けたのではないでしょうか。

もっと人格形成をきちんとし、人間関係を作っていけばせっかく近くにいても離れていく才能ある作曲家、作詞家などの人脈を逃さずにいたはずです。

だからこそ歌謡曲以外にジャズや、現代風の歌を歌う選択肢を選ばなかったが残念です。

何度か指導するだけで完璧に歌う天才・美空ひばりです。
なんでも歌いこなしたはずです。

歌の幅が広がればそれだけファンが広がる可能性があったかもしれないと思います。
やはり歌手は才能だけではなかなか歌のジャンルは広がらないものなのでしょうか。






タグ:美空ひばり
nice!(14) 
共通テーマ:
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...